縁起と智慧


「縁起と智慧」に関して、追補しておきます。

「縁起と智慧」における大切なポイント、目のつけどころとなるのは、過去の記憶がよみがえってきたときや、6つの感覚器官に対象が触れた時です。十二縁起でいうと7番目の感受作用が起きたときですね。

十二縁起の要素を箇条書きしてみましょう。

1. 無明
2. 行(サンスカーラ)ー志向作用
3.(意)識
4. 名色
5. 六処
6. 触
7. 受(感受作用)
8. 渇愛
9. 取(執着)
10. 有(存在)
11. 生
12. 老死

この7番目の感受作用が起きたとき、過去の条件づけられた反応も同時に起き、この時、ひろがりの意識が起きるか、智慧の意識がおきるかの違いがでてくる。

つまり、過去の条件づけられた反応が起きた瞬間が「苦」か「やすらぎ」かの分かれ道になる。

過去の条件づけられたサンスカーラ(行)に気づいた瞬間、その行の志向作用を発展させるのではなく、その行への気づきを持続させようと試みるということです。その気づきが智慧の意識でしょう。

サンスカーラ(行)に智慧の意識が覆われるのか、智慧の意識でサンスカーラ(行)を照らしつづけられるかの分かれ道です。

ここで、ふつうは智慧の意識で行を照らしつづけれないか、最初から行の志向作用を発展させてしまいます。

落ち着いて、智慧の意識で照らしつづけましょう。